PICクラブ 第50回情報交換会


【第50回情報交換会概要】


開催日時  2014年5月30日(土) PM1:00〜PM5:30
開催場所  川崎市総合福祉センター(エポックなかはら)
      7階 第3会議室

【まとめ】 

5月にもかかわらず真夏の暑さを思わせる暑い日でしたが、多くのみなさまの
参加をいただきました。また、今回は50回記念ということで、マイクロチップ社
とダックス社からプレゼントを皆さんに頂きました。ありがとうございました。


《スナップ》





【講義】

1.PICによるスイッチング電源 :後閑

PICマイコンを使ったデジタル電源の構成方法について具体的な例で解説
しました。スイッチング電源の基本構成と、デジタル化の基本的なステップ
について説明するとともに、PIC16の場合とSMPS(dsPIC33)の場合の差異
についても説明しました。


解説資料は会員の皆様には別途配布しています。


【作品紹介】

1.超音波スピーカの製作 : 横田さん

パラメトリックスピーカを試すということで、超音波素子を並べたスピーカを製作。
FM変調を使って超音波を出力しているが、これでも直接音として聴くことができる。
指向性の強い音として聴くことができるが、ハンカチ程度の障害物で遮断される。
空気伝搬の非線形性でFMを直接音として聴こえるが、歪が多い。


左側がスピーカ本体、右側がアンプ本体

詳細は下記資料を参照してください。

 「超音波スピーカの製作

2.TI製センサータグの紹介 : 松元さん

TI社から発売されている多機能なセンサータグの紹介
小型で安価な製品ですが、下記のセンサーが内蔵されていて、しかも低消費電流
 ・温度センサ(±0.3℃精度)    ・湿度センサ(±2%RH精度)
 ・気圧センサ(±3hPa精度)    ・加速度センサ     ・ジャイロスコープ
 ・磁力計
外部との通信はBluetooth 4.0
今回は試作で、スマホのNexusで温湿度と気圧を表示させています。
最終的にはネットワーク百葉箱をつくつこととのこと。


センサータグ本体
右側はケース表

詳細は下記を参照してください。

Sensor Tag紹介

スマホに温湿度と気圧を表示させたところ
通信はBluetooth




3.ワープロ第3弾 : 斉藤さん

PIC32MXで作るワープロの第3回目、いよいよ単体で動作する段階になりました。
PICのボードに直接キーボードを接続してローマ字、漢字変換を実行しています。
フォントは東雲フォントを変換して作成し、ローマ字漢字変換はすべて手入力です。
今後、変換辞書を組み込む計画とのことです。

キーボードをUSBで接続
PIC32MX1個ですべてを制御
実装部品はすっきりしています。
キャラクタLCDは通信のモニタ用


まとまってきました。
グラフィックの液晶で漢字表示

フォント変換を行うアプリをパソコン
でVC++で作成
マイクロチップのグラフィックライブラリ
用のフォーマットに変換しています。


すべて手配線です。
ご苦労様です。



4.太陽電池MPPTコントローラ : 菊池さん

本格的に太陽電池を使って電気を供給するための電源です。
太陽電池の使用効率を最大化するためMPPTという手法がありますが、単純に使うと
太陽電池が陰ったとき最大効率に複数のピークができてMPPTが誤作動する。
これを回避するため全範囲の電圧電流の特性をスキャンし、複数のピークにも対応
できるようにしたとのこと。 (神奈川工科大学の特許を参考にしたとのこと)

太陽電池も300Wとし、向き角度も手動で設定できるようにしています。
電源は最大12V 30Aの出力容量で、28ピンのdsPIC30F2020で制御しています。
出力容量を確保するためFETとコイルを2系統並列構成としてdsPICで並列電源と
して制御しています。
コイルにはアミドン社のトロイダルコアを輸入し、2φのエナメル線を手巻きしたとのこと。

さらに、Wi-FiのXBeeを使って無線でリモート監視ができるようにしています。


電源部の全体構成
市販のケースに実装している
コイルが大きい


コントローラ部詳細
dsPICがかなり発熱するので放熱器を
つけている



リモートモニタ

出力電圧電流、バッテリ電圧を表示


5.フットスイッチとRngeCoderの課題 : 平峯さん

まず、前回から製作継続中のタッチセンサー方式によるフットスイッチの経過報告です。
フットスイッチについては、応答速度改善のためPIC18にUSBを組み込むことにしたが、
マイクロチップのアプリケーションライブラリのUSBスタックをC18コンパイラからXC8コン
パイラに移植する段階でトラブルに遭遇。その原因を追究した。
結果詳細は下記資料を参照してください。
   「Foot_Switchの開発

次に、新たに始めたグラフィックLCDのフォントに関する課題についての解説でした。
フォントに24ビットフォントを使おうとしたが、メモリ容量が600kバイトを超えるため、圧縮
することを考えた。圧縮ツールっとしてRangeCoderを使ったが、うまく圧縮できず、原因を
追究した。原因がわかり改善してみたが、圧縮率が75%にしかならず、目的は達成
できなかった。 結局第一水準だけとすることにしてPIC32MXの試作を開始した。
詳細は下記資料を参照してください。
  「Range Coderの開発

6.タブレットの充放電制御機能付き温湿度計 : 西村さん

タブレットにUSBアクセサリとしてPICのI/Oボードを接続し、温度と湿度のセンサ情報を
タブレットに送信し、タブレットで大型文字で表示させています。
PIC側はAndroidアクセサリとしてのアプリを実装し、タブレット側はJavaでアプリを実装
しています。
アプリはマルチスレッドで動作させていて、複数アプリの実行ができるようになっています。
さらに、Java APIでタブレットの電池情報を取り出してPIC側に送り、PIC側で電池残量に
応じて充電用電源のオンオフをしています。これで、タブレットを常時充電状態にせず
放電終了後充電を開始し、満充電になったら充電を停止させています。
このAPIは
   getIntExtra("level",0)   getIntExtra("voltage",0)  など


タブレットを表示器として活用
大きな文字での表示が可能となる



USBアクセサリとして接続した
汎用I/Oボードに温度センサと
湿度センサを接続

左下側が充電電源のオンオフ用
のFET


7.共同開発者を募る : 亀田さん

最新のデバイスを使って、市場に新製品を提供するアイデアを持っている。
ついてはこれらを一緒に開発してくれる人を募集しますということです。
詳細は下記資料を参照してください。
   「応用要素技術共同開発 「相棒」募集

8.次世代パワーアンプ : 小野寺さん

これまでのアンプは電圧駆動なので、スピーカのインピーダンスが一定でないと
フラットな特性とは言い難い。
という発想のもと、スピーカのインピーダンスの周波数特性に応じて、ダイナミックに
電力を制御して常に一定の電力で駆動するようにしたアンプの紹介。
実用新案となっているとのこと



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