可変抵抗器とバリコン


【可変抵抗器】

可変抵抗器(ボリューム)とは、文字通り、抵抗を可変できるように
なっている部品です。
構造的には、抵抗体の上を可動片がスライドするようになっていて
可動片のある位置により、抵抗が変化するようになっています。

この抵抗体には3種類が良く使われています。

 (1)炭素皮膜系
   安価で特性もある程度良いので、最も多く使われています。
   しかし、皮膜がだんだん薄くなって劣化する現象があります。

 (2)サーメット系
   金属皮膜系のため、耐久性と雑音特性に優れており、高級
   ステレオや測定器などに使われています。

 (3)巻線
   巻線抵抗を使ったもので、大電流に耐えることが出来ます。
   しかし、比較的小さな抵抗値のものしか出来ません。

【回路図記号】

回路図記号としては、下図が使われます。

      

【抵抗変化特性】

可変抵抗には、シャフトの回転角、またはスライド型ならスライド量に
対する抵抗変化が2種類あります。

 (1) Aカーブ
   回転角に対して、対数変化します。このような特性の用途は、
   主にオーディオ用で、例えば音量調節が回転角に対し、耳で
   聞いた音量感覚が直線的に変化させたいときに使われます。

 (2)Bカーブ
   回転角に対して直線的に抵抗値が変化します。
   一般的には、こちらのほうが使われます。

【形と種類】

可変抵抗には、その形によって大きく2種類に分かれます。

(1)ボリュームタイプ
  シャフトを外部に出して、つまみで変化させることが出来るタイプ

左がサーメットタイプ
右が炭素皮膜タイプ

いずれもパネルに
ナットで固定する。


 (2)半固定タイプ
   ドライバーなどでまわすタイプで、一度変更したら、あとは余り
   動かさないところに使います。主に、性能調整用に使われます。
   固定は普通基板に直付けします。
   

左端は多回転型で
5回転で一巡するタイプ

小型でプリント基板取りつけ



バリアブルコンデンサ(バリコン)


【バリコンとトリマー】

バリコンもその名前の通り、コンデンサ容量を可変できるように
なっている部品です。

回路図記号は下記が使われます。

   

形から大きく2種類に分かれます。

 (1)バリコン
   シャフトがあり、外からつまみで可変できるようになっているもの。
   主にラジオの同調用に使われています。

 (2)トリマー
   シャフトが無く、調整用ドライバ等で回すタイプで、同調微調整用
   に使われます。

【バリコン】

構造から2種類に分かれます。

 (1)エアバリコン
   固定側と可動側の金属羽が空気を介して向き合っているタイプ
   で、高耐圧であるため、送信機などの同調に使われます。
   数10pF程度から100pF程度までの容量があります。
   昔は430pFなどと大きなモノが、AMラジオ用としてありましたが
   最近はほとんど見なくなりました。
 
 (2)ポリバリコン
   2種類の羽の間にフィルムが挟まっているタイプで、フィルムが
   高誘電率であるため、小型で高容量のバリコンが出来ます。
   携帯型ラジオの同調用に使われます。
   数10pFから数100pFのものがあります。
   また、内部で2つや4つが一緒に組み立てられている2連、4連
   のものもあります。


左側がエアバリコン
右の2つがポリバリコン

ポリバリコンには同調用
のつまみが付いている
ものもある。





【トリマー】

同調の微調整などのために使われるバリコンで、プリント基板への
直付け型の形をしています。

これを回すときには、普通のドライバでは、金属のため容量に影響を
与えるため、調整用のドライバで回すことが必要です。

容量は数pFから数10pF程度で、色で区別されているものもあります。







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