MPLAB X IDEに内蔵されているエディタは、入力支援機能や、エラーチェック機能が
最適化されており、非常に便利にできています。
ここではこれらのエディタの便利機能の使い方を説明します。
A) ヘッダファイルの指定
これまでのMPLAB IDEではヘッダファイルはデバイスを指定して記述する必要が
ありましたが、MPLAB X IDEではすべて下記の記述だけでよくなりました。
これでMPLAB X IDEが自動的に指定デバイスに合うヘッダファイルを探してリンク
してくれます。
#include <xc.h>
B) 略号辞書による入力
別ページで説明しているように略号変換辞書が定義されていますので、次のように
省略形で入力してタイプ文字数を減らすことができます。
さらにこの辞書には自由に追加変更ができますので、自分に合わせた辞書とすることが
できます。
def と入力してから<TAB> → #define と入力
func と入力してから<TAB> → 下記のような見出し付きの関数定義が入力される
C) レジスタビット名の入力支援
レジスタのビットを指定して記述する場合、下記のように記述する必要があります。
OSCCONbits.IRCF = 14; // 8MHz選択
このビット名を入力する際下図のように「OSCCONbits.」とドットまで入力すると
自動的にビット名の一覧がポップアップで表示されますので、この中から目的の
ものを選択するだけで入力ができます。さらに例のようにIRCF<3:0>という
複数ビットをまとめてIRCFという名称で指定することもできます。
D) 自動エラー表示
エディタ入力中には常時エラーチェック機能が働いていて、文法が間違っていると
下図のように行番号に赤丸の印が付きます。この赤丸にマウスオーバーすると
エラーメッセージでエラー内容を教えてくれます。
単純にレジスタ名が違っているようなときはすぐわかりますが、下図のような場合、
なかなか間違いに気付きません。
多くの場合、赤丸が付いた行の前の行のセミコロンが抜けていることがほとんどです。
下記の例では、 data = '@' の行のセミコロンが抜けています。
E) 複数行まとめたインデント挿入削除、コメントアウト挿入削除
エディタの上側にメニューアイコンがあり、その中に下図のようなアイコンがあります。
左側2つのアイコンがインデント操作、右側2つのアイコンがコメントアウト操作になります。
このインデント操作アイコンを使うときは、インデント操作をしたい行を複数行まとめて
選択してから、このアイコンをクリックすれば、インデントして前か後に移動させることが
できます。インデントする文字数は標準設定では4文字になっています。
さらにコメントアウトする場合も、複数行を選択してまとめてコメントアウトすることが
できますし、コメントアウトをはずして元に戻すこともできます。
F) エディタの履歴表示
エディタの過去の修正履歴を表示させて比較しながら確認することができます。
メインメニューから、[Team] → [Local History] → [Show Local History] とすると
下図のように過去の修正履歴と比較表示が行われます。
これで過去にソースファイルのどこをどのように変更したかをつぶさに追いかける
ことができます。テキストを保存、またはコンパイルした都度履歴として残されますので
すべて自動的に履歴保存されています。
G) ハイライト表示
変数名、関数名、レジスタ名を選択すると、下図のように同じ記述の部分がハイライト
で表示されますのでどこで使われているかがすぐわかります。。
また、括弧開く(閉じる)を選択すると対応する括弧閉じる(開く)がハイライトされて
表示されます。
特に中括弧の対応付けはインデントも含めて重要な要素ですので、確認する際に
便利に使えます。
H) Navigate機能
変数や関数名で右クリックすると下図のようなポップアップメニューが表示されます。
この中の[Navigate]を選択すると、変数や関数の定義場所や、記述箇所にジャンプ
することができます。別ファイルになっていても問題なくジャンプできます。
複数ファイルで構成されたプログラムをデバッグしたり解析したりするときに便利に
使うことができます。