PICクラブ 第52回情報交換会


【第52回情報交換会概要】


開催日時  2015年1月12日(月祝) PM1:00〜PM5:30
開催場所  川崎市総合福祉センター(エポックなかはら)
      7階 第3会議室


【まとめ】 

正月明け早々にも関わらず多くの方々に参加していただきました。
今回は大阪からも複数の方が参加するなど、新しい多くのメンバーに
参加していただけました。
また初参加の方々の発表が相次ぎ有意義な一日でした。






【講義】

1.Google Apps ScriptでM2M :後閑

Google Apps Scriptを使ってPICマイコンボードからGoogleのクラウド
に直接データをアップしグラフとして公開する試みの途中経過について
報告しました。
(1)スプレッドシートのグラフを公開し誰でも閲覧できるようにする
(2)メールの添付ファイルとしてグラフを送信する
(3)WebページからフォームでPOSTすることで新たなデータをスプレッドシートに追加する
というところまではできることを確認しました。

解説資料は会員の皆様には別途配布しています。

【作品紹介】

1.ネットワーク百葉箱 : 松元さん

かねてよりTIのセンサーを試していて、今回はラズベリーパイを使ってネットワーク
経由で温湿度などのデータを公開する試作の紹介でした。
ラズベリーパイに各種のセンサーをI2Cで接続し、ラズベリーパイ側は公開されている
ライブラリを使ってウェブサーバーとして動作させるというものです。
ウェブ公開にはxively(ザイブリー)を使ったとのこと。
今回は温度のみで湿度は間に合わなかったということでした。

手前がI2Cで接続されたセンサー群

奥の箱に入っているのがラズベリーパイ
下の白いものがバッテリです。

詳しくは下記資料を参照してください。

 「ネットワーク百葉箱紹介」


2.PICクラブへの提言 : 村上さん

製作発表ではないのですが、クラブに参加できない方々や、さらに詳しく知りたい
という方々のために、FacebookなどのSNSサービスを始めてはどうでしょうか。
という提言です。
みなさん同様の意見が多く、ぜひ始めるべきだということで、試しにFacebookで
始めることとしました。後閑はちょっと対応が難しいので、村上さんに面倒をみて
いただくことになりました。村上さんよろしくお願いします。
詳しくは下記資料を参照してください。

 「PIC fun clubの交流を密にするために」

3.PIC32MZの試作 : 斉藤さん

PIC32MZを使う上での基本モジュールの動作確認を行った報告です。
試したのは、UART、SPI、I2C、A/Dとのこと
直接のモジュール制御でHarmonyは使っていない

試作の基板2種類
いずれもLCDつき
テストはパソコンと接続して行う
ようになっている


試作基板1
外付けはEEPROM、D/A
LCD、RS232C
となっている


試作基板2
構成は同じ

4.わかさぎ釣りロボットの製作 : 小林さん

初参加の小林さんから、趣味で楽しんでいるわかさぎ釣りを、ロボットを
使って自動化しようという試みの報告です。
釣竿の先端から伝わる当たりを歪みセンサで検出し、それをソフトウェア処理
してモータを動かして巻き取るという動作になります。
微妙な当たりの振動をパターン化して検出するようにするため、データを
パソコンで収集できるようにしています。
結果は残念ながらこれまでは成功していないとのこと。面白い試みです。

わかさぎ釣りロボットの全体外観
PICを2個使って処理しています。

詳しくは下記資料を参照してください。
わかさぎ釣りロボット

実際に動作している動画が下記です。

  「わかさぎ釣り in 山中湖

  「わかさぎ釣りロボット 解説編


5.卓球ヒットカウンタの製作 : 山内さん

初参加の山内さんの製作発表です。卓球の練習の的に使うもので、球が当たると
振動を検知して、当たった回数をカウント表示するというもの。
第一世代はすべてロジックで製作、次の世代はLED表示にPICを使ったとのこと。
結構評判がよく、200台以上を提供したとのこと。
次の製作にはPICで数字表示にチャレンジしたいということで相談されていましたが
使っているPICはPIC16F57ということでした。まずはPICを最新のものに変更すること
から始めることになりそうですね。


ケースをボールペン等でちょっと叩くと
カウンタのカウントがアップします。
電池動作です。




底面には吸盤をつけて
卓球台に固定できるようにしています。
これで球が当たっても落ちないように
しているとのこと


6.IoTおもちゃの紹介 : 矢野さん

初参加の矢野さんからは、IoTでつながるおもちゃの開発会社を起業した紹介
がありました。未来志向でしかも自然に使えるおもちゃを提供したいとのこと。
詳しくは下記資料を参照してください。

 「IoTおもちゃ専業メーカ「すくすく(SQSQ)」の創業

7.工作教室で作るロボットの紹介 : 梁取さん

ずっと続けている子供が工作で作るロボットカーの最新版の紹介でした。
PICも最新版となり、モータドライバもMOSFETのブリッジに更新されていました。

最新のロボットの全体外観
結構大型です。
ラジコンのプロポの送信機を使って
無線操縦で動かします。



中央にラジコン受信機がありその周りに
ドライバ基板が3枚構成でできています。

ギアはヤマザキ社の標準品です。
山崎教育システム株式会社

購入は「CLUB WAD」でできます。


ドライバ基板の外観です。
PIC+FETドライバ+MOSFET
の構成です。

この基板の組み立てから工作が始まります。

川崎など各地のカルチャーセンターで定期的に
工作教室を開催しているとのこと

8.環境センサの製作 : 永田さん

しゃべる時計をベースとして温湿度、気圧などの環境データを表示したり
温度のトレンドグラフを表示させたりすることができる多機能なものとなっています。
時刻合わせもUSB経由でパソコンからできたり、GPS受信で自動補正したりできる
ようになっています。

天井にスイッチが並んでいます。
ケースは百円ショップで入手したもの
とのこと

前面にグラフィックのLCDがあります。



グラフィックLCDの表示例

日時と温湿度が表示されています。
最下行にしゃべる条件が表示されています。
音声出力はATP3011チップを使っています。





背面にある温湿度センサー
側面にはパソコンとの接続コネクタなど
いろんなものが付いています。

9.人名救助のための独自機動性無人マルチヘリの紹介 : 亀田さん

ドローンのような4モータ構成の特種用途向けマルチコプタの
開発状況の紹介でした。

(1)30cm〜30m 超広域SS高度計
   16F1829+mcp6S92(PGA)
(2)台風時でも飛行可能な突風対策器
   16F1829を使用
(3)突風検出用リング状SS全方位ドップラ計
   18F26K22 (osc64MHz)を使用
(4)急旋回可能な独自マルチコプタ機体の試作と
   PID制御ソフトの開発、検証
    18F4431を使用

**共同開発者 募集中とのこと

10.診療用のPICボードの紹介 : 野田さん

耳鼻科を経営している先生が、治療するために製作したPICのボードを
紹介して下さいました。
ただ耳鼻関連の病の原因や治療方法は確かなことはまだ解っていないということで
この作品もこれから多くの実験を重ねて効果を確認するためのものとのこと。


PICを使って多種類の音を生成する
ようになっています。
連続音を出力できるように多くの工夫を
したとのこと。



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