PICクラブ 第12回情報交換会


【第12回情報交換会概要】

開催日時  2001年 6月9日 PM1:00〜PM7:00

開催場所  マイクロアプリケーションラボ社

出席者

 堀 浩一郎 
 東矢 雄治
 落合 幸喜
 菅原 雄介
 和田 隆良
 実石 賢次
 有松 学
 高木 美勲 
 小野寺 康幸
 黒滝 賢治
 樋口 聡
 福士 幸弘
 内田 高之
 聶   洪
 櫻井 清
 山原 忠雄
 梁取 弘明
 小田島 雄一
 井村 裕
 登 将一
 加藤 勇
 東原 智幸
 大内山 士郎
 織田 寛
 斎藤 洋一 

 小川 晃
 後閑 哲也


【まとめ】 

第12回情報交換会は、過去最高記録を大幅に上回る大勢の方々の参加を頂き、
時間を延長して、7時近くまでとなりました。(MALの小川さんには場所の提供も含め
お世話になりました。)
はじめての方や、常連の方々など多様な方々の集まりとなって来ていて、それぞれ
に有意義な時間が過ごせたのではないかと思います。


《参加者写真》






スナップ
 

 説明を聞いているほうも結構真剣な顔をしています。質問もなかなか突っ込んだ
 ものが多く、自分がどう活用するかを描きながら質問されているようでした。








【作品紹介】

1.人体ツボの電流測定器:加藤さん

人体のツボに流れる電流を計測することで状態を知り、インターネットで
その結果をデータとして活用するシステムに使われる装置だそうです。


左端がグランド端子で手で握る等し、
黒い棒状の先端をツボにあてます。
これでそのツボの電流を計測することが
でき、データとしてUSB経由でパソコンに
出力されます。




コントローラにはPIC16F877、USBコントローラ
にはUSBN9603を使っています。計測電圧の
切り替えと、測定電流のA/D変換をPICで実行
し、データをUSBで送信しています。



2.耳鼻科用検査装置制御ユニット : 斉藤さん

鼻炎の検査をするための装置の一部だそうで、黒い丸いところから霧状の
検査薬は噴霧され、それを噴霧している時間を左端の発光ダイオードに
よる砂時計で表示しています。
このユニットは前回説明いただいた試作器の製品版になる予定のものだ
とのことでした。


左端はLEDの砂時計で噴霧時間を
刻々とあらわしています。


制御はPIC16F8771個で行われており、噴霧
の制御はリレーを介してバルブの電磁弁の開閉
砂時計のLEDのダイナミック点灯制御などを実行


3.プリント基板切削器と時計付きPLC : 小田島さん

プリント基板をエッチングでは無く、直接銅箔を削り取ってプリントパターンを
製作してしまう自動NC装置を作ってしまいました。パターンを描くのに必要な
CADまで自作してしまうという気の入った作品です。
実際の装置は大きいので持ち込めないので、小田島さんのホームページ
で見て下さい。URLは下記となっています。

  ★電子工作室 ドリームキッズ  ここの 環境にやさしい基板製作機の製作記


これが実際に切削した基板で、かなり高精度
なパターンとなっています。当然穴あけも自動
で行われます。



もう一つ、紹介して頂いたのは、彼の製作中のPICを使ったPLC(シーケンサ)に使う
「タイムキッカ」というもので、簡単にいうと、リアルタイムで設定時刻なると、PICから
出力が出るというもので、PICとリアルタイムクロック専用ICを組み合わせて出来て
います。
リアルタイムクロック専用ICを使うことで、従来パソコンを接続して実現していたシス
テムをこの小さなPIC基板で代替してしまったそうです。

リアルタイマ専用ICとPIC16F84だけで出来た
PLC用タイムキッカ
RS232Cでパソコンと接続できるようになっています。
出力は汎用IO以外にこおRS232Cでも出力でき、
他のPLCとの組み合わせが可能になっているとのこと。


4.緊急電話連絡装置 : 和田さん

ボタンや、焦電センサーからの信号で自動的にあらかじめ設定した電話番号に
電話をかけ、音声で警報を通知する装置です。実際の製品レベルの作品という
ことで、デザインも良く、機能も良くまとまっていました。
上面の液晶表示器とキーを使って、電話番号の設定や動作モードを指定する
ことが出来ます。音声出力には汎用の音声合成ICを使っているとのことでした。

上面の液晶表示器とキーで設定を行う





トリガーとなる入力には手前にあるスイッチボックス
と焦電センサーによる人体検知入力による。

電話のNCU機能も内蔵していて自動ダイアルアップ
となっている。



5.プラレールリモコン : 樋口さん

樋口さんの友人が作ったものということでしたが、子供が喜びそうなものでした。
赤外線受光センサーをプラレールの天井に組み込み、内部にPICのコントローラを
内蔵させて、リモコンからの信号により、列車の停止、推進、バック、速度制御を
行うようになっています。


モータの電源は後ろの貨車に内蔵されています。
モータの制御には専用のHブリッジICを使っている
とのこと。



6.障害者用複合リモコン装置 : 福士さん

赤外線通信のプロである福士さんですが、今回もやはり赤外線を使った
障害者用の支援ツールを紹介して頂きました。


障害者が言葉を話す代替手段として文字板
の発光ダイオードで文字を指し示すことで
ことばにするものです。
発光ダイオードの点灯位置が順次ずれていくので
話したい文字で1個のボタンを押すと表示が停止
して伝えるというものです。


上記の制御部でPIC1個だけ出ダイオードの表示
制御、音の出力、ボタンの入力をこなしています。




今回初登場の装置で、赤外線のリモコンの信号を
PICの制御部にある音声録音再生ICで直接録音
してしまい、それを今度はそのまま赤外線として
出力することでコントローラとして使うというものです。
WorkPadから出力される赤外線リモコン信号を一度
左側の制御部に録音させることで覚えることになります


赤外線信号を記憶(録音)するのは真中の大き目の
録音再生用専用ICです。
これをPICで制御し、外部への赤外線発光ダイオード
の出力に変換します。
PICはRS232Cの通信も行って、WorkPadとの通信も
行います。

7.GPIBコントローラ : 井村さん

計測器用の接続規格であるGPIBをパソコンからではなく、PICを使ったコントローラ
から直接実行するものです。パソコンとの接続も可能で、パソコンからGPIBの
コマンド群をダウンロードすることも可能になっています。
一度ダウンロードしてしまえばあとはコントローラ単体で計測器を制御することが
出来ます。さらにフラッシュメモリを積んでいるので、計測したデータを格納し、後で
まとめてパソコンに転送することも出来ます。

GPIBコントローラ本体です。右側側面にあるのが
GPIB接続ケーブルです。


説明も緊張しながら一生懸命です。
聞いているほうもしっかり質問しています。

2台のGPIBコントローラを使って制御状況
をモニタすることが出来ます。

8.


9.ロボカップ用サッカーロボット : 菅原さん

ロボットといえば菅原さんの出番です。今回はロボカップに出場したサッカー
ロボットを紹介して下さいました。
あいかわらず即席で製作されたとのことですが結構すばらしい出来栄えでした。
今回のゲームは6台x2組がサッカーをするゲームで、上側から映像をとりそれを
パソコンで処理し、無線LANで各ロボットにコマンドを送信することで、各ロボット
を制御する方式になっており、無線LANのためにPICNIC+無線ユニットを使って
います。また当然モータの制御はPICで実行しています。

上にある色のパターンで上から撮影する映像を
画像処理してロボットを区別するようになっています。
これらの処理はパソコン側で行われます。

下部にあるのがキック用のハンマーとボールを
手前にひきつけておくローラです。


内部実装です。下から電池、制御基板、PICNIC
となっています。







駆動モータとタイヤです。
モータは小型ですが馬力のあるモータです。
タイヤはアルミホイールにゴムを貼り付けた
ものです。



無線LAN用の送受信ユニットです。
市販品です。


10.PICライタ : 山原さん

PIC16F87x、84に書き込みが出来るライタで、パソコンとシリアル接続で
接続し、パソコンから書き込みます。特徴は書き込んだあとにデバッグ用に
特定アドレスの1バイトのデータの内容をパソコン側に読み出せるように
なっていることで、書き込みが正常かを確認することが出来ます。


右上はライタ本体で、左側は書き込まれる
PIC側です。同じものをカウンタにしたり
タイマにしたりプログラムを書き換えることで
実現することが出来ます。

11.湿度コントローラ : 小野寺さん

湿度センサーをPICに接続して湿度を計測し、その値で、外部の加湿器を
On/Off制御します。これで部屋の湿度を一定に制御することが出来ます。

上部の液晶表示器に現在湿度を表示
します。
また制御条件も表示します。



側面に取り付けた湿度センサーです。
あまり精度は良くないですが、人間の感覚から
みれば十分の精度です。
内部は2階建ての基板構成になっていて、
直接AC100Vの加湿器の制御をソリッドリレー
を組んで実現しています。
また直流電源もAC100Vからトランスレスで作り
出しています。

12.USB技術解説 : 後閑

USBの基本のアーキテクチャやプラグ&プレイの動作などの
USBの概要と、実際のUSBコントローラ、汎用デバイスドライバの使い方を
説明しました。その時に使った説明資料は下記です。
PDFファイルでダウンロード出来ますので、Acrobat Readerでご覧下さい。

  ★USB技術解説  (PDF約2.5MB)

また実際にPICにUSBN9603を接続した汎用IOユニットを紹介しました。


液晶表示、発光ダイオード、アナログ入力の
各入出力をUSBで実現したサンプルです。





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