汎用I/Oユニットの製作


【概要】

 PIC18F67J60を使ったLANに接続可能な汎用I/Oユニットを作ってみます。
ウェブブラウザを使って下記の機能が実行できます。

 ・ウェブサーバとしてブラウザにページを提供する
   ページの切替、図形、写真のデータも提供可能
 ・ブラウザからLEDのオンオフ制御
 ・スイッチの状態モニタ
 ・アナログ計測値の常時モニタ
 ・任意の8ビットデータの受信と外部への出力

 この汎用I/Oユニット用のプログラムは、マイクロチップ社のTCP/IPスタックの
デモプログラムをベースにして一部修正して製作します。

【内部構成】

 汎用I/Oユニットの全体構成をブロック図で表すと下図のようになります。
LAN接続部もコネクタだけですので簡単な構成になってしまいます。





【回路図】

この汎用I/Oユニットの回路は下図となっています。
この回路図はフリーのEDAツールである「Eagle」で作成しました。
LANコネクタ部にパルストランス、LED内蔵のものを使いましたので、
終端抵抗とコンデンサだけの実に簡単な回路構成になります。
データシートでは、このLAN用の電源供給部でフェライトビーズが指定
されていますが、入手が難しかったので通常の300uFのRFコイルで代用
しています。

電源は3.3Vですので3端子レギュレータには3.3V出力を使い、入力に
5VのACアダプタを使うことにしました。
そしてこの5V電源を直接CN2のコネクタに接続しています。
実はこのコネクタには液晶表示器を接続する予定なので、この液晶表示器
が5Vでしか動作しませんので、ここを5V駆動とします。

RS232Cのインターフェースにはレベル変換用のICとDSUBコネクタが必要
ですが、今回の基板サイズでは実装は無理でしたので、別のサブ基板に
実装することとし、今回はPICから直接コネクタへ接続しています。
この端子を汎用のデジタルI/Oとして使っても構いません。




《ファイル》
 下記で本I/Oユニットの回路図とパターン図のEagle用のファイルが
 ダウンロードできます。

  ★ 汎用I/Oユニット回路図
  ★ 汎用I/Oユニットパターン図

【外観】

作成した回路図からEagleを使ってパターン図を作成します。パターンは片面
基板で、サンハヤトの10k基板サイズ(75×100mm)に納まるようにしました。
完成した汎用I/Oユニットの外観は下記の写真のようになります。


汎用I/Oユニットの部品面
PICは取りはずした状態
PICのサブ基板の下にも抵抗やコンデンサ
を実装しています。

汎用I/Oユニットのはんだ面
今回の回路図作成とパターン作成には
フリーソフトのEagleを使っています。

汎用I/Oユニットの全体外観
中央が変換基板に実装したPIC18F67J60
変換基板へのはんだ付けはTQFPタイプ
のパッケージなので、はんだ付けには
ちょっとコツが必要ですが、それほど難しくは
ありません。(実装方法のページを参照


【プログラムの製作】

 汎用I/OユニットのプログラムはTCP/IPのデモプログラムVer3.75を元に
しています。
 本ユニットに使用したデモプログラムは、デモプログラムの構成の中で
ウェブサーバ用のデータをプログラムメモリに格納する構成のものです。
 TCP/IPスタックがVer3.75になって内容が整理され、自作基板への移植が
簡単にできるようになりました。
プログラムの移植の詳細は「デモ移植」のページを参照してください。

移植後のウェブブラウザでの表示内容は下図のようにデモプログラム
そのままです。
左下にボード上の各種の状態の表示と制御ボタンがあります。


拡大できます。



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