【どんな物?】
現状のマイクロチップ社のPICmicroシリーズの最上位にあたるデバイスで、ハイエンド
シリーズになります。
16ビットの命令長を有し、これまでのミドルレンジのPICの使い難さをかなり改善した
ものとなっています。特に、メモリアーキテクチャや、命令構造に顕著な改善が見られ
ます。
さらに命令構造がC言語に良く合う命令体系となっているため、C言語での開発が主流
となるPICとなるものと考えられます。
今のところ、Cコンパイラはマイクロチップ純正の高価なものしかありませんが、そのうち
にサードパーティ製の安価で新しいコンパイラが開発されると思います。
現状ではフラッシュメモリ版はリリースされていませんが、近々リリースされる計画の
ようです。
【特徴】
PIC18シリーズの特徴は下記のようになっています。
(1) メモリサイズが拡大され、直接アクセス範囲が拡大した。
プログラムメモリ:最大1Mワードまで直接アドレッシング可能となった。
データメモリは、256バイト×16バンク=最大4kバイトまで拡張可能となった。
(2) クロックが内部で4倍されるようになり、最高40MHzという高速で動作する。
これにより命令実行サイクルは、100nsecとなった。
(3) 命令数が77個とミッドレンジの2倍の数となった。さらに演算命令も強化されて
より複雑な演算制御の高速実行が可能となった。
8×8の乗算命令が追加され、Carry付き演算も追加された。
またテーブル検索専用命令も追加され、大量データの扱いが高速化された。
(4) 割り込みのレベルが拡張され、基本レジスタの退避復旧がハードウェア化された。
これにより、より高速な割込み処理が可能となった。
(5) タイマ0とウォッチドッグタイマのプリスケーラがそれぞれ独立に追加された。
またその他の16ビットタイマの読み込みが高位バイト、上位バイト同時に取り込む
ことが出来るようになった。
(6) タイマ3が追加され、このタイマ出力をシステムクロックにも使うことができるように
なった。このためより低速、低消費電力の動作をさせることが可能となった。
(7) アナログ入力チャンネル数の増加と高速化
(8) リセット条件の区別ができるようになり、各リセット毎の処理区別が可能となった。
(9) I2C、USARTなどのシリアル通信機能が強化され、さらに使いやすくなった。
(10)低電圧検出、リセット機能が強化され、検出電圧の選択肢が増えた。
これにより電池動作も安定に行うことが可能となった。
【デバイスの種類と開発計画】
現在入手可能なPIC18シリーズは下記表の4種類となっています。しかし、この他に
リリース計画中のものが既に何種類かあるので、順次追加されていくものと思います。
現在の最新の開発計画は下図のようになっています。(マイクロチップ社セミナ資料より)
これによれば、近々、CAN通信モジュールを内蔵したものがリリースされるのと、アナログ入力を
強化したものが予定されているようです。