PICシリーズのハイエンドシリーズに当たる、PIC18Cシリーズ
を評価するためのボード第一弾です。
マイクロチップ社のハイエンドシリーズに相当する16ビットPICの最新デバイスである
PIC18シリーズの色々な動作確認をするために使用可能な汎用の試作ボードを作成
してみました。
試してみるプログラムはMPLAB-C18のC言語を使うことを前提にしていますが、アセン
ブラも当然可能です。しかし、このハイエンドシリーズはC言語を使うことを前提に最適化
されて開発されていますので、C言語を使う方が便利でしょう。
【参考】本評価ボードは、PICをPIC16F877に差し替えるだけで、そのままPIC16F877用の
評価ボードとすることが出来ます。
ピンコンパチブルですので全く問題無く動作します。
【仕様】
本ボードで試作試験が出来る機能は下記のような項目となっています。
(1) ディジタル入出力の基本動作
・発光ダイオードによる出力動作
・ディップスイッチによる入力動作
(2) 液晶表示器の制御
よく使われる、16文字2行の液晶表示器をポートから直接制御
PIC18用のCコンパイラであるMPLAB-C18に内蔵されている液晶表示器制御関数を
使ったテストが可能です。
(3) セグメント発光ダイオード表示器の制御
最大4桁のセグメント発光ダイオードの表示制御とどの桁ドライブ用のドライバを実装
しています。
(4) アナログ入力の基本動作
2チャンネルのアナログ入力をテストできる増幅度可変のアンプが2組実装されており、
10ビットのA/D変換機能を使って入力することが出来ます。リファレンスは電源電圧
のみとなっています。
(5) USARTによるRS232Cシリアル通信
内蔵のUSARTを使ったシリアル通信を使うため、RS232Cのレベル変換用ICを使って
パソコンなどとの接続が可能となっています。
(6) I2Cによる外部メモリ接続
フィリップス社が提唱したローカルな高速シリアル通信方式であるI2Cにより外部フラッシュ
メモリICと接続して通信を行う。
MPLAB-C18に内蔵されているI2Cの関数を使用したテストが可能です。
【ブロック構成】
本汎用ボードの内部構成は下図のようになっています。中心はPIC18C452で40ピンのIC
ソケットとしています。その周りに下記部品を配置した構成となっています。
・発光ダイオードとディップスイッチ
・液晶表示器接続用コネクタ
・セグメント発光ダイオード用ドライブICとコネクタ
・I2Cインターフェースのフラッシュメモリ2個
・USART用のレベル変換ICとコネクタ
・2回路の可変ゲインアナログアンプ
・電源用3端子レギュレータ
【回路図】
上記構成を回路図にしたものが下図です。特別な回路は無いので難しくは無いと思います。
セグメントLEDの桁ドライブ用のICにはMOSトランジスタのものを使いましたがこれでモータの
制御用にも兼用できます。
RS232C用のレベル変換ICは最近のものはもっと小型のコンデンサで済みますので、小型化
が可能です。
発光ダイオードや、DIPスイッチなどは好みでもっと増やすことが可能です。
プリント基板のパターンは、片面のパターンとしています。基板サイズも標準サイズのままです
ので、もう少し小型が可能です。
可変ゲインアナログアンプは、ゲインが4〜10倍程度までの可変が出来るアンプとなっていま
すが、入力として扱える電圧は正電圧のみとなっています。従ってアンプの出力は最大5Vまで
ですから、入力としては約1.25V〜10Vが最大入力電圧ということになります。
アンプ用のICとしてはレールツーレールのものを使っていますのでほぼ0Vから5Vまでのフル
レンジで使うことが出来ます。
【修正情報】
下記回路図で忘れ物がありました。 I2C通信でEEPROMメモリを接続していますが、その2本
のバス信号ラインSCK,SDAのプルアップ抵抗を忘れてしまいました。2kΩの抵抗をそれぞれ
追加して下さい。
(下図は拡大表示できます)
下記は、IVEX社のWinDraft/WinBoard用のファイルとなっています。(LZH圧縮です)
★ PIC18シリーズ汎用ボード回路図
★ PIC18シリーズ汎用ボード基板パターン図
【外観】
下記写真が本汎用ボードの外観です。外部との接続はいずれもコネクタとしました。
これでいろいろなテストにもコネクタの差し替えだけで可能となります。
真中のソケットにPIC18C452JWを実装します。
基板は片面のプリント基板となっています。
液晶表示器は、コネクタで外付けとします。