回路図に現れない部品等


【回路図に現れない?】

一般的な(標準的な)規則に従って描かれた回路図には、明確に
表現されない部品がいくつかあります。
この辺りが回路図から実際に組み立てるときに分かり難いものに
しているのかも知れません。
しかし、これにもある一定の規則や経験則があり、慣れれば苦に
ならなくなるものです。
しかし、回路図からは全く動作や機能が理解できないものもあり
ます。それは、最近多くなった、FPGAやマイコンなどのプログラム
で機能が組み込まれる場合です。
これらは、回路図を見ただけでは、機能や動作は全く判りません。
あくまでもプログラムの理解が必要です。

以下に大きく分類して回路図に現れない部品を説明します。


【配置配線関連】

実際に組み立てるときに出てくる必要なことですが、回路図上は
明記されないことが多くあります。これらの多くは経験則になって
いることが多く、ノウハウとなっています。

(1) 電源,グランドの接続線
  電源やグランドの記号で終端されている配線は、同じ記号を
  全て線で接続されていると見なす。

(2) ディジタルICの電源、グランド
  ディジタルICの14ピンや16ピンの標準のDIP型のICは電源と
  グランドピンが決まっているため、回路図上は省略することが
  多くあります。

(3) 実装レイアウトや配線の仕方
  特に短く配線しなければならなかったり、太い線材を使う必要が
  あっても、回路図上はそれらは明記されていません。
  特に高性能のオーディオアンプなどでは、この辺りがノウハウで
  経験と製作例で学ぶしか他に方法はありません。
  また、高周波回路では、配置や配線ルートなどで異常発振したり
  することがありますが、これもノウハウで、一応の経験則があり
  ますが、これらを学んで経験を積むしかありません。

(4) コンデンサや抵抗の種類
  多くの場合、特別に指定が無い限り種類の指定は回路図には
  表現されません。
  この辺りは部品表や、経験でどの種類を使うべきかを決める
  必要があります。

【機構部品関連】

組み立てるときに必要となるケースなどの機構関連の部品です。

(1) ICなどのソケット
  ディジタルICなど実際に実装する時にはICソケットを使うことが
  多くありますが、普通はソケットは明記されません。

(2) ケースなどの機構部品
  ケースや、取り付けの金具、放熱板や絶縁シートなど、多くの
  機構部品は回路図には描かれません。

【機能やタイミング関連】

実際の動作や、信号のタイミングについては回路図には描かれま
せん。

(1) 信号の動作タイミングは記述されない
  場合によっては回路図に信号のタイムチャートが一緒に描かれて
  いる場合もありますが、通常は描かれていません。
  これを回路図から読み取ることが必要になります。

(2) ICの機能や動作は描かれない
  特に最近のLSIなどは、回路図を見ただけでは動作を理解する
  ことは不可能です。これは、LSIの説明書で機能を理解した上で
  回路図を読むしかありません。
  またFPGAやPLDなどのプログラマブルなLSIや、マイコンが使わ
  れた回路図は、回路図からだけでは、全く動作を理解することは
  不可能で、FPGAやマイコンなどのプログラムを理解しなければ
  どうしようもありません。

    


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