PICクラブ 第40回情報交換会


【第40回情報交換会概要】


開催日時  2011年 11月26日(土) PM1:00〜PM5:30
開催場所  川崎市総合福祉センター(エポックなかはら)
      7階 第3会議室

【まとめ】 

秋も深まった晴天の一日でしたが、相変わらず40名を超える参加者で
熱い議論が続きました。
今回はマイクロチップジャパン者の渡邉さんから、PIC10Fのコンテスト開催の
お話があり、PICクラブ会員限定での先行コンテストを行うということで
豪華商品つきのコンテストの紹介がありました。

《スナップ》







【コンテストの紹介】

マイクロチップジャパン社の渡邉さんから、PIC10F32xファミリの紹介と
それを使ったコンテスト開催の紹介がありました。
さらに、そのコンテストに先立ってPICクラブ会員限定の先行コンテスト
を行うということで説明がありました。
コンテスト詳細は会員の方々に直接配布いたします。


PIC10F32xファミリを紹介中の
渡邉さん

このあと、PIC10F32xファミリの詳細と、次世代モジュールとして新規に搭載された
下記3モジュールの使い方を後閑より説明しました。
 (1) CLC:Configurable Logic Cell
 (2) CWG:Complementary Waveform Generator
 (3) NCO:Numerical Controlled Oscillator

【作品紹介】

1.Android Accessoryの紹介 パート2 : 後閑

前回に引き続き、アンドロイドアクセサリの試作品を紹介しました。
今回は、ケータイのアクセサリとして電流電圧計を追加
さらにタブレットのアクセサリとしてオシロスコープ、周波数特性アナライザ、
ラジコンを紹介しました。
使用したタブレットはAcer社のICONIA TAB A500で、USB Aタイプのコネクタ
が実装されています。


ウェザーボードの外観と
表示内容
ケータイは「Nexus-S」を使用

温度、湿度、気圧、照度を表示
デジタル入出力が2点ずつ


デジタル電圧電流計の外観
と表示

電圧:Max2.047V 分解能約20uV
電流:Max2A   分解能約20uA









下記はオシロスコープの例





周波数特性アナライザの例
使用タブレットはICONIA TAB A500



ラジコンの送信機の操作部を
タブレットにしてみた例




2.開発支援の相談 : 亀田さん

イーサネットを使った小型のネットワークシステムをPICで作るという構想で
開発中のシステムの開発、試作を支援、あるいは請け負ってくれる方が
いませんかという相談でした。
ネットワークサーバもPICだけで構成しようという、なかなか気合の入った
システムです。請負が可能な方は、亀田さんに連絡をして下さい。
  
  t-kameda@kjc.biglobe.ne.jp

3.地震センサ試験用超低周波発振器 : 横田さん

マンションが一番危険な数Hz以下の超低周波振動の地震を検知する装置を開発
するに際し、まずその超低周波を発振するテスト用の発振器を製作したという
紹介です。

PICに抵抗ラダーの8ビットD/Aコンバータと
ローパスフィルタを接続して構成した。
ローパスフィルタが複雑になり、結局アナログ
発振器の簡単さを見直す結果となったとのこと。

詳細は以下の資料参照
超低周波発振器の製作




この発表には、iPhoneにプロジェクタを
直結して行われました。
いよいよこういう世界が当たり前に
なってくるのかも。

4.GPS Tracer : 笠木さん

GPSの衛星の位置をグラフィック液晶表示器に地球の図とともに表示するという
変わった機能の作品です。
GPS衛星がどのように地球を回っているのかを知りたかったので作ったとのこと。

システム全体構成です。
CPUはARM系のもので、PIC32MX相当です。
写真下部にGPSセンサ、左側が小型の
カラーグラフィック液晶表示器という
簡単な構成です。



実際の地球の表示とGPS衛星の位置情報
が表示されているところです。
地球の表示は真横からと、自身を中心にした
ものとが表示可能で、緯度一度単位で位置を
移動させて表示が可能とのこと。



発表中の作者

詳細は、下記資料を参照して下さい。

GPS Tracer

5.ニキシー管表示の時計 : 阿部さん

懐かしいニキシー管を表示に使った時計です。

実際に表示させたところ
スキャンが遅いので写真にとると一部
欠けた状態になります。

製品として開発したものですが、すでに
完売してしまったとのこと。
ニキシー管の入手が困難なため追加は
できませんとのことでした。

制御はPIC18F4550でUSBでPCに接続して
各種設定ができるようにしている。

ニキシー管には約400Vを加えていて、DC/DC
コンバータで12Vから生成している。

また音声録音再生機能も持っていて、録音した
音声を時間によって再生するようにできるとのこと。
最大3分までの録音再生が可能。

各国、各社のニキシー管の代替品があり
それぞれ表示に微妙な差異がありました。

皆さんの評価では、やはり国産品が一番
でした。


6.深部体温計 : 山田さん

耳の穴の中の温度を測ることで、正確な体温を測れるという製品の紹介です。


本体が写真下部のもので、それに液晶表示器
と温度センサー部(白い筒)が接続されています。
センサーには、SEMITEC製のサーモパイル
を使っています。




本体の外観です。
見えませんがPIC18F26K20を使っています。

詳細は下記資料を参照して下さい。
深部体温計


7.MARY他の紹介 : 落合さん

マルツパーツ館で扱っている雑誌連動のマイコンボードの紹介がありました。
またPIC24の学習用ボードの紹介もありました。

MARYは写真のような小型のジュール群
で構成されたマイコンシステムで
周辺用のブロックと組み合わせて
いろいろなことができるものとなっています。

マイコンはARM系のマイコンです。


写真のように上下にコネクタで接続して
使います。
詳しくは下記資料を参照してください。
マイコン製品のご提案


PIC24の学習用マイコンボード

USBローダーと「ほぼフルキーボード」
で構成されています。



熱心に質問する和やかな発表会です。


8.温度ロガー パート2 : 松元さん

農作物の収穫時期を判定するために積算温度が使えるということで、長期間の
温度ロガーを製作中。
今回は前回皆さんから紹介のあった安価な基板製作にチャレンジした報告。
使用したのは「FUSIONPCB」という会社で、3千円弱で12枚の基板が2週間
ほどで届いたとのこと。設計はEagleを使用。
 MBEDを使ったため消費電力が削減できず今後の改良が必要と皆さんから
集中攻撃を受けていました。


大きな電池が必要
MBEDを使うことでプログラムは簡単にできる。
でもハードウェアを変更することができない。

LPCXpressoに変更したがそれでも消費電流
は数10mAと大きい。

詳細は下記資料を参照ください。
温度ロガーの試作 中間報告2



9.136kHzのアマチュア無線 : 黒田さん

136kHzという低い周波数がアマチュア無線でも使えるということでチャレンジした
報告です。

136kHz用の送信機と、画像を非常に
低いボーレートで出力する変換器



送信機本体です。
大きなコイルをFETで駆動して出力を
出しています。
アンテナが巨大になり簡単には
電波を飛ばせないそうです。
しかも微弱な受信しかできないので
パソコンで処理してやっとデータが
取り出せるとのこと


バンド幅が2kHzしかないとのことで、その中で
画像を送るためには極端にボーレートを
下げなければならないので、PIC+DDSで
周波数を可変しながらデータを送信するように
しているとのこと。

詳しくは、下記資料を参照してください。
136kHz CW & QRSS送信機

10.ガイガーカウンタキットの高感度化: 黒田さん

市販のガイガーカウンタの感度が低いのでこれを高感度化した作品


最近のホットな話題のためか
ひとしきり放射線の放出物を
いろいろ試して盛り上がりました。

1眼レフカメラのレンズからかなりの
放射があるのがわかりました。



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