PICクラブ 第33回情報交換会


【第33回情報交換会概要】


開催日時  2009年 12月 13日 PM1:00〜PM5:30
開催場所  川崎市総合福祉センター(エポックなかはら)
      7階 第3会議室

【まとめ】 

 年末の差し迫った日曜日の開催にもかかわらず大勢の参加で感謝です。
冒頭、「省電力化ノウハウ」ということで説明しましたが、多くの質問があり
皆さんが省電力化に努力されていることがわかりました。
 今回も力作の紹介でしたが、サーモグラフィの自作や、VoIPインターホン
、デルタシグマ変調アンプなどこれまでと趣の異なる作品もあり、皆さん
興味津々といった感じでした。


《参加者写真》  







《スナップ》




【作品紹介】

1.省電力化ノウハウの紹介 : 後閑

 PICを使ったシステムの省電力化の方法について、詳細を説明しました。
動作時の省電力と、待機時の省電力それぞれのノウハウについて
項目ごとに解説しました。
 作品として、液晶パネルを使った極低消費電力の時計を紹介しました。
待機中は約17μA、1秒ごとの時刻と表示更新中に約180μAという
消費電流で、コイン電池で約1年動作する計算です。



2.鉛蓄電池回復器 : 菊池さん

 鉛電池を長時間使うと容量低下となりますが、これを復活させるものです。
実際に使ったところでは、放電時間が131%アップしたり、定格容量が
33%から76%まで回復したとのこと。

コイルは専用なので手巻き
接続コードは最短にしないと
効果が出ないとのこと


3.ミニフォトフレーム : 菊池さん

 300円のカラーグラフィック液晶表示器を使ったミニフォトフレームで、
400×96ドットの液晶表示器にビットマップデータを表示しています。
PIC24Hのフルスピードでもちょっと間に合わない状況だとのこと。
液晶表示の直接のスキャン制御はやはりちょっと荷が重いようです。


結構きれいな画像が表示されています。





4.ホームシアター機器自動制御 : 横田さん

ホームシアタのビデオデッキの電源をオンとすると、自動で関連する
機器の電源をオンとして準備する赤外線リモコンです。
ビデオの電源をオンを、自作コイルでAC電流を検出することで検知し、
このトリガで赤外線リモコン送信を行って関連する機器をリモコン制御
します。
PIC16F785の内蔵オペアンプを使って、電源オン検知用のバンドパス
フィルタを作成しています。


赤外線の出力部はケーブルで
延長してプロジェクタに向けて
おけるようにしてある。


プロジェクタを使って
解説中の作者


5.MP3プレーヤ : 斉藤さん

PIC24Fを使ってMP3プレーヤを作成、液晶表示器にファイル名を表示。
録音再生機能を追加する予定で、現在作成中とのこと。


VS1011eは変換基板に
実装済みのものを使用

SDカードもサブ基板として
接続ケーブルで
引き出している



液晶表示専用にPICを実装し
シリアル通信で表示データを
送っている

6.VoIPインターホン : 笠木さん

以前紹介のあったVoIPインターホンの改良版です。
同時双方向の音声転送と、呼び出しスイッチのデジタル情報転送の追加。
正弦波送信によるブザー音声呼び出しなどが追加されています。

全体構成
両端にあるのが本体
中央の白い箱はLANのハブ
左下の黒いのはスピーカ



本体のバラック側
以前のVoIP機に小型基板で
機能追加した。
スイッチとLED部


7.サーモグラフィ : 箱木さん

サーモパイルを赤外線輻射の強度測定センサとして活用し、輻射を
収集するため、パラボラ反射鏡を自作、これをRCサーボでXYスキャン
することで一定範囲をスキャンします。
 データはリアルタイムでPCに送られます。スキャン終了したデータを
EXCELの等高線グラフ表示機能を使ってサーモグラフ化して表示します。
こんな簡単な構成でらしきグラフが作成できるのは驚きでした。


パラボラで赤外線の輻射を
集め、焦点部にあるサーモパイル
センサに集中させている。

RCサーボを2個組み合わせて
2次元スキャンしている



実演中
約1分ほどでスキャンが
終了し、データ収集が完了する




データをEXCELでグラフ化
したところ
人の顔の部分をスキャンした
結果の表示

結構らしいグラフが描けています。



8.デルタシグマ変調による音声出力装置 : 大和田さん

 最近のオーディオ用アンプに使われているデルタシグマ変調を使って、
PICで音声を出力します。
 1ビットだけのデジタル出力を小さなトランジスタ経由でスピーカに
接続するだけで、フィルタも不要という回路構成なのですが、
結構良い音で出力されるのには皆さん驚きでした。
オーバーサンプリングなどいくつか工夫を加えたと説明されましたが
詳細は秘密だそうです。

表示部は直接関係ない

デモ音声は奥さんの美声でした。

構成はいたって簡単で小さな基板に
PICと小型トランジスタがあるだけ

これで意外に良い音がスピーカ
から出てくる 不思議である。



9.ウィークリタイマ : 小野寺さん

 1週間単位でスケジュールを決め、外部AC機器をオンオフするタイマです。
休日や、土日などをすべて自動判定してスケジューリングしています。

 カレンダー機能もうるう年は400年まで考慮されたものとなっていたり、
設定も大小月を判定して設定を制限したりと細かな配慮がなされています。

 PICなどの電源もAC100Vから直接生成したトランスレスとなっています。
ACの制御はトライアック制御となっています。


ACから直接電源供給し
制御出力も直接ACをオンオフ
している




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