PICクラブ 第11回情報交換会


【第11回情報交換会概要】

開催日時  2001年 3月17日 PM1:00〜PM5:30

開催場所  マイクロアプリケーションラボ社

出席者

  土田 さとし
  川村 浩之
  柏木さん
  内田 高之
  東矢 雄治
  出雲さん
  福士 幸弘
  小川 晋一
  梁取 弘明
  山原 忠雄
  矢野 百人
  松家さん
  斎藤 洋一
  堀 浩一郎
  登 将一
  大内山 士郎
  高木さん
  樋口 聡
  加藤 勇
  小野寺 康幸
  佐藤 博
  和田さん
  小川 晃
  後閑 哲也


【まとめ】 

21世紀初の第11回情報交換会は、過去最高の人数の参加を頂き、いつものように
休む間もなく、あっという間の半日でした。特に今回はじめて参加した方々もいつに
無く多く、PICのファンの層の広がりを感じました。
若い学生さんから、それこそ仕事にバリバリ使っている方、さらには退職後の趣味で
やっている方まで、各層でそれぞれのレベルで楽しめるPICはなかなかのものです。


《参加者写真》
 





スナップ
 
皆結構真剣に意見交換しています。








【作品紹介】

1.サッカーロボット:梁取さん

サッカーロボットのバージョンアップ版の紹介をして頂きました。今回も特技のABS加工の
見事な出来栄えです。メカ部はタミヤの工作キットシリーズだけで安価に出来あがって
います。モータはツインギヤセット、それに前輪に組み立て型のキャスタセットを使って
います。制御部は、PIC16F84を使い、ラジコンのプロポからの信号をラジコン用受信機で
受けたあと、そのパルス列の信号をPICで処理して。モータの回転制御と腕に相当する
ラジコン用のサーボを動かしています。

ABS加工のロボット本体。
腕の部分にラジコン用サーボを使っています。
胴体の部分に制御部が内蔵されます。


各種の制御部で、右が基本の制御部でPIC16F84と
TA7291P。
中央が、新しいもので、PIC16F84とTA7289Pで可変速
制御が出来るようになっています。


2.オフロード用ラップタイマ : 矢野さん

ラップタイマのバージョンアップ版です。今回のラップタイマはぐっと小型化されたのと
すべて無線と電磁誘導で通信されるので接続部分が無くなったのが特徴です。
まず、子機を車に搭載してスタートさせると、あらかじめオフロードコースのゴール地点
に埋め込まれて長波を発振しているループコイルの上を通過するとき、子機に内蔵の
コイルがこの電磁波を受信してPICに伝え、これに内蔵のリアルタイムクロックの時間を
記憶します。
レースが完了した時点で、この子機を親機に近づけて、親機からコマンドを出力すると
親機の頭についているコイルから発する電磁波で子機にそれを伝え、315MHzの無線で
記憶していたラップタイマ値を親機に無線で返信します。
親機に内蔵の無線受信モジュールでこの電波を受け、PICで処理して液晶表示器に、
ラップ時間を表示します。

子機で、これを車に搭載する。
PICとリアルタイムクロックが内蔵されていてコイルで
受信した電磁波を基準にしてラップタイマを記憶
する。また親機への送信用無線モジュールも
実装されています。


親機の外観。コマンド用のキーパッドと液晶表示器
頭に電磁波送信用のコイルが飛び出している。




親機の中身。 やはりPICで構成されていて、
無線モジュール受信、電磁波送信などの処理と
データ処理、液晶表示の処理などを実行している。



3.ロボット犬 : 登さん

ロボット犬が初登場です。犬の本体は、ラジコンのサーボが合計9個も使われて
いて、足の間接の動作を受け持っています。電源OFFの時は、手足を伸ばして
腹ばいの状態ですが、電源をONにした途端、ガバッと起き上がったのには思わず
皆からオーっとばかりに感動の声がでました。
さらにSONYのゲーム機を流用したコントローラで無線操縦すると、片足ずつ動かして
歩きます。さらに「お手」などもできるようになっていて結構楽しいロボットです。



片足ずつ動かして犬が歩く感じが出ています。
足の各関節にはラジコンのサーボが使われていて
それらをすべて1個のPIC16F877で制御しています。
また送受信には315MHzの無線モジュールが
使われていて、コントローラで無線操縦できるように
なっています。


お手をしたところ。
右前足がさっと出てきます。

SONYのゲーム機を流用したコントローラで
これにPICを接続して処理したあと、無線モジュールで
ロボットを操縦します。




4.盗難警報器とビデオエンハンサ : 和田さん

PICと焦電センサーを応用した盗難防止用の機器で、子機には焦電センサーとPIC
、無線送信機が組み込まれており、赤外線を発する動く物体を検知して警報を
親機に送ります。親機はどの子機かを区別して警報を発します。
親機では8ビットのコードで子機を区別出来るようになっています。

左が子機 右が親機


PICを使ってNTSC用の同期信号を生成することで、ビデオ信号のノイズとり、
を行うことが出来るエンハンサです。

PICで同期信号を生成するのに20MHzの
クロックが必要とのこと。


5.駐車場用車両センサー : 佐藤さん

実用に供されている駐車場の車両の有無を検知するセンサーで、PICが
活用されています。写真はセンサー部で、超音波センサーが使われています。
密閉型の超音波送受信器をPICで制御して反射時間を測定することで
車両の検知や人や他との区別、停止しているかどうかなどを判定します。
さらに、外部とシリアル通信ができるようになっていて、パーティライン状に
親機と接続して多数の駐車エリアの管理もできるようになっています。
さらにトランジスタ出力もできるようになっていて、無人駐車状のストッパー
の制御もできるようになっているとのこと。

完全防水構造にしています。
下側の基板がモールドされる前の状態で
上側がモールドで完全防水加工したあと。




6.ステッピングモータ制御ユニット : 山原さん

PICでステッピングモータの各種の動作モードを設定し動かすことができる
ユニットです。PICも2種類を選択できるようになっていて、テストが出来ます。
ステッピングモータはいくつかの動作モードがあり、それぞれに特徴がありますが
それの動作テストや特性試験を行うことが出来ます。

速度を可変できる。
動作モードが設定できる。
PICを2種類から選べる。




7.アマチュア無線用高性能高周波フィルタ : 出雲さん

7MHzと3.5MHzのアマチュア無線周波数帯で受信機の前段に挿入するフィルタで
100dBという急峻なフィルタ特性をもつ高性能フィルタです。
このフィルタの周波数の切り替えと周波数のディジタル表示にPICを利用しており、
設定するときだけPICを動作させ、あとは停止させてノイズを減らすという徹底ぶりが
高性能なフィルタ特性を実現させています。
さらに高周波部はすべて手作りのシールドケースとなっていて、高周波シールドの
徹底ぶりが良く理解できる作品です。
(本作品はCQ誌に掲載されるとのことで、写真掲載は控えておきます)

   

8.障害者用複合リモコン装置 :福士さん

例によって福祉用の装置を紹介して頂きました。今回も数多くの装置を紹介して
頂きましたが、最新の作品は、写真の右側にある「複合リモコン装置」ともいうべき
もので、テレビのチャンネル切り替えと、ベッドの上げ下げの操作、ナースコールなど
複合操作をボタン1個でできるようにしたリモコンです。
福士さんのライフワークとも言うべき赤外線リモコンを活用し、さらにPICを組み合わせて
複雑な動きを、数少ないボタンの操作だけで実現しています。


操作に従ってドレミファという音階までPICと電子ブザー
で作っています。




9.耳鼻科用検査装置制御ユニット : 斎藤さん

鼻の検査に使う装置の制御部をPIC16F8771個だけで実現したもので、スイッチの入力
薬液バルブの制御、タイマ時間のダイナミック表示制御などを実行しています。
これは実際の医療検査装置として組み込まれ、出荷されるそうです。
PICは、価格を下げるためにつかったとのこと。

10.周波数特性測定装置 : 後閑

既にホームページで紹介しているPICとDDSユニットを組み合わせた低周波の周波数
特性測定装置を紹介。 やはりデシベルを直接DC出力に変化してくれる、ログアンプ
に皆さんの関心が集まりました。 


パソコンにシリアルで接続して周波数特性グラフを
直接表示します。

市販のDDSユニットをそのまま使い、安定な正弦波
を出力しています。
レベル測定にはログアンプのICを使いました。




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