使わないI/Oピンの処理


【使わないI/Oピンの問題】

PICマイコンで使わないI/Oピンで問題になるのは、I/Oピンを
入力モードでオープンのままにした場合です。

 この場合には、内部のCMOSロジックの入力がオープンとなり
ゲート電圧が不定で、場合によると電源の中間近くの電圧となって
しまうことがあります。
 この場合、CMOSの2つのトランジスタが下図のようなリニア領域
の動作状態となることになり、両方のトランジスタが貫通電流が流れ
る状態になってしまいます。



この結果は、思いもよらぬ大きな電流が常時流れることになり
下記の例のように消費電流を大幅に増加させてしまうことがあります。

《I/Oピンがオープンの場合に増加する消費電流例》
項目 Typ消費電流増 Max消費電流増
1ピンオープンの場合 35μA 0.5mA
2ピンオープンの場合 65μA 1mA
10ピンオープンの場合 305μA 5mA


【解決策】

 このような状態を避けるためには下記のようにします。

(1) 使わないI/Oピンは出力モードとし、0(Low)を出力しておく
  出力モードの場合には、上記問題は発生しません。
  ピンもLowレベルですから、特に問題になるようなことは
  ありません。

(2) 入力モードとするならプルアップかプルダウンしてHigh/Low
  を明確にしておく
  こうすれば上記不定状態にはなりませんから問題ありません。