省電力化の基本


【省電力化の基本】

PICマイコンを使ったシステムのPIC自身の消費電流を削減する基本は、電流消費の源
から削減する方法ということになります。
したがって、消費電流削減の基本は下記のようになります。

(1) クロックを停止する
  つまり待機状態にすることになり、リーク電流だけの状態となりますから、消費電流は
  最少となります。しかし、この状態では機能は実行できませんから、必要なときだけ
  動作させ、必要ない間は待機状態にするという「間欠動作」をさせることになります。

(2) クロック周波数を下げる
  動作時の消費電流を少なくすることができます。

(3) 電源電圧を下げる
  動作時、待機時いずれの消費電流も少なくすることができます。

(4) クロックの供給範囲を少なくする
  内蔵モジュールなど動作が必要な部分にのみクロックを供給し、使わない部分のクロックは
  停止させます。

(5) 動作回数、動作時間を減らす
  内蔵モジュールなどを動作させる時間、回数を減らす工夫をします。

【間欠動作】

 PICマイコンの消費電流を効果的に削減する方法が、間欠動作です。
つまり、PICを常時動作させず、必要なときだけ動作させ、必要ないときはクロックを停止させて
待機状態にする方法です。
この場合の消費電流は下図のように間欠的に動作電流が発生し、待機中は非常に少ない
消費電流となります。

この場合の消費電流は、下式のようになり、待機中の消費電流は非常に少ないですから、
待機時間の割合が多ければ、平均の消費電流を大幅に削減することができます。


 この間欠動作での課題は、下記のようなものとなります。

(1) 間欠動作を開始させるトリガ要素と、その要素の消費電流
  どういう条件で動作を開始させるかという課題で、何らかの回路を動作させるとすれば
  その回路の消費電流が加わることになります。

(2) 動作を開始するまでのウェイクアップ時間
  待機状態からウェイクアップして動作状態になるまでの時間で、この時間が短いほど
  応答を高速にできますし、平均の消費電流を減らせることになります。
  「2速度スタートアップ」機能はウェイクアップを高速化する手段です。

(3) 待機中のリーク電流の削減
  もともとリークが少ないデバイスを選択することと、電源電圧を下げることが必要。