LANと情報源


【LANとは】

 LANの言葉そのものは、"Local Area Network"ですが、その名のとおり、
比較的狭い範囲のネットワークを構築するための通信アーキテクチャのことを
称しています。(日本語訳は「構内情報ネットワーク)
 この狭い範囲とはどれくらいかというと、大体数100メートル以下で、オフィス
のフロアとか、工場のフロア内の範囲を想定しています。
一般電話のような通信回線(WAN:Wide Area Networkという)と比べて狭い
範囲なのでLocalという言い方になっています。

 LANが生まれた背景は、1980年代以降、ワークステーションやパソコンなどの
情報機器が、小型で安く、高性能なものとなっていき、ユーザ1人で1台を所有
するような状況になってきて、大型コンピュータの歴史と同様、最初はスタンド
アロン型で使われたのですが、互いをネットワークで結ぶことによって様々な
機能拡張が出来るようになって行き、これをさらに効率よく接続することが期待
されるようになったことがあります。

 私も20年以上前に、業務で日本ゼロックス社からイーサネットのタップとトラン
シーバを紹介していただいた時には、ごついなー というのが第一印象でした。
なにせ、1cm径の同軸ケーブルに、鋳物の塊のようなタップをねじで押し込み、
同軸ケーブルの被覆を破り、針の先端を同軸ケーブルの芯線に接触させること
で接続するんだと聞いて、何と言う大げさなものを作るんだろうと思ったもので
した。
 
 

現在の10BASE5のイーサ
ネット用タップ、トランシーバ
の外観

当初は上側の鋳物の
部分がもっとゴツかった。






この後、イーサネットはどんどん市場に受け入れられいわゆるデファクトスタン
ダードとなって行ったことで、IEEEで標準化が進められることになりました。
現在では、非常に多くの標準がIEEEで定められており、通信速度も最近では
Gbpsの世界になって来ています。

 使われるケーブルも太い同軸ケーブルから、細くて扱いやすいツイストペア
ケーブルになって、今では一般家庭でも多く使われています。


【LANの仕様と転送速度】

 LANに使われるイーサネットは現在ではIEEE標準化機関で標準が定められ
ており、IEEE802.3規格では、当初の10Mbpsから、最新の10Gbpsまで標準規格
が定めれています。

(1) 代表的な標準規格
 当初の10Mbpsを基本とする規格から すでに一般的になっている100Mbps、
 1Gbpsの規格の内で主要なものは下記のようになっています。
 これ以外にも同軸ケーブルや専用の特殊ケーブルで距離を延ばすための
 規格も定められていますが、一般的では無いので省略しています。
 さらにこの他に10Gbpsの規格もすでに定められています。
通信速度 規格名称 符号化方式 ケーブル仕様 ケーブル
最大長
10Mbps 10BASE5 マンチェスター 50Ω同軸(10mm径) 500m
10BASE2 50Ω同軸(5mm径) 185m
10BASE-T UTP(2対CAT3) 100m
100Mbps 100BASE-T 100BASE-TX 4B5B MLT-3 UTP(2対CAT5) 100m
100BASE-T4 8B6T UTP(4対CAT3)
100BASE-T2 PAM5x5 UTP(2対CAT3)
1Gbps 1000BASE-T 4D-PAM5 UTP(4対CAT5) 100m

(2) 使用ケーブル
 上表のようにイーサネットは、速度だけでなく、ケーブルの種類でも大別され
ていて、同軸ケーブル以外にツイストペアケーブルも多く使われています。

 このツイストペアケーブル(UTP)には、10Mbps用のカテゴリ3(CAT3)と
100Mbps用のカテゴリ5(CAT5)の2種類が市販されています。
 最近では大部分が100Mbpsの100BASE-Tが使われていますので、市販の
LANケーブルとしては、カテゴリ5が多くなっています。


【LANの情報源】

インターネットで公開されているLANに関する情報源は下記のようなものが
参考になります。

(1) IP関連RFC(Request for Comment)
  RFCとは、インターネットの様々な事柄を記述している仕様書群で、
  インターネットに関する事柄の多くがRFCを通して規定されています。
  従ってLANやインターネットに関する基本的な仕様などは、このRFCを
  読むことで理解することが出来ます。

    ★ RFC Sourcebook
      全てのRFCが整理されており、特に「IP protocol suite」のページ
      には、IPプロトコルに関するフォーマットの詳細が図表でまとめられて
      いるので、貴重なサイトです。

    ★ JPNIC(Japan Network Infomation Center)のRFC原文サーチ

    ★ RFCの日本語版を集めたサイト


(2) プロトコル関連の一般知識

   ★Master of IP Networkフォーラム連載(インプレス社)
     勉強するのに良いサイトです。
     


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