7MHz受信機用PLL制御ユニット

7MHzSSB受信機用のPLL制御ユニットです。
シリアル接続した2個のPICで各々PLLの制御
と7セグメントLED5桁を制御しています。


1.概要

(1) 本制御ユニットはワンチップマイコンであるPIC16C84を2個
  使用して、LEDの表示とスイッチやPLLの制御とに分担を分けて、
  回路の簡単化と機能の高度化を図った。
(2) LED表示制御用PICの機能特徴
 ・5桁の7セグメントLEDをダイナミック表示制御
  (内部データは6桁で、そのうち下位5桁を表示出力)
 ・ゼロサプレス機能付き
 ・データの入力はシリアル通信でLED表示中も常時受信可能
  PLL制御用PICと接続している。   (通信速度は約10kbps)
(3)PLL制御用PICの機能特徴
 ・ロータリーエンコーダで周波数アップ/ダウン
 ・プッシュボタンで周波数を高速アップ/ダウン。
  かつ1位と100位の切替え可能
 ・設定周波数を20個まで記憶する。
  EEPROMに格納するので電源断でも消えない。
 ・電源ON時には前回電源OFF時の周波数に自動復帰する。
   (詳細は別ページの「PLLユニット」側を参照)

2.回路構成図


回路構成は下図のようになっており、2個のPICを中心に7セグメント発光
ダイオードのドライブと、PLLのVFO制御用の周波数設定用信号とが
出力されます。

3.回路図、パターン図

 PLL制御部の全体回路図は下図となっている。
 PICが2個あり、上側のPICが5桁のLED制御、下側のPICが
 PLLの制御を実行している。その2個のPIC間は1個づつのポート
 を使って1本の線でシリアル接続している。      

 回路図とプリント板用アートワーク図は、CADである
  
「HiWIRE U」で描いているのでダウンロードしてお使い下さい。
    
回路図   (ダウンロードしてお使い下さい)
    
パターン図 (ダウンロードしてお使い下さい)


4.PLL制御部のプログラム

プログラムの全体は1本の流れで出来ています。
概略のフローは下記のようになっています。

      
    →  キー入力有無チェック(何も無ければ繰り返し)
   |     ↓
   |  各キーの処理をする  ロータリーエンコーダ処理
   |     ↓
   |  周波数データの更新  周波数データはBCDで扱っている
   |     ↓
   |  PLLへの出力    シリアル出力の制御
   |     ↓
   |  LEDへの出力    7セグLED表示部へのデータ出力
   |_____↓

(1)ロータリーエンコーダの処理
 RE1とRE2の2本の信号のどちらが先かにより右回り(周波数アップ)
 か左回り(周波数ダウン)かを判定する必要があります。その実現方法は

    RE2の信号入力なし → 何も入力無しとして処理
       ↓(あり)
    RE1の入力High → カウントダウン処理へ
       ↓(Low)
    カウントアップ処理へ

  として判断します。

(2)チャッタリング(バウンス)の回避
 スイッチの入力には必ずチャッタリングがあります。これは何かと言うと、
 接点が閉じる時1回で完全には安定に接触せず、何回かはずんでから完全
 に接触するという現象です。
 従って、1回だけ接点入力がLowになったからと言ってすぐ次の処理を
 始めると、続けて接点の状態を見に行くような処理の時には、次に見に
 行った時にはHighに戻っているという現象となります。
 このチャッタリングは数msec続きます。
 特に今回のような接点式ロータリーエンコーダーはこのチャッタリングが
 比較的長く続いており、RE2がHighになったと思ってすぐRE1を見に行くと、
 まだ安定しておらず逆方向と判断してしまったり、何回かカウントしたり
 して不安定な状態となってしまいます。
 これを回避するためには、1度接点に変化を検出したら、数msec後にもう
 一度見に行って再度同じ状態であったらその処理をするという風にします。


5.LED表示制御部のプログラム

LEDのダイナミック点灯制御は比較的易しいものです。ここではPLL
制御のPICと、シリアル通信をしながらダイナミック点灯も制御する
ようにしています。
全体の流れはやはり1本になっておりますが、表示試験をするための
プログラムが独立の流れとして余分に入っています。
難しいのはシリアル入力を高速化することです。今回は、LEDの表示を
一定のインターバルで桁を移って行く間の待ち時間の間にいつもシリアル
入力の有無をチェックするようにして、いつでも受信できるようにしてい
ます。

    → LEDの桁表示出力
   |    ↓
   |  シリアル入力確認-->無ければ
   |    ↓           |
   |  データ入力し格納   |
   |    ↓           |
   |  次の桁へ移る←-------
   |____↓


6.プログラムソースリスト

プログラムはPICシリーズ用統合環境「MPLAB」用のリストと
なっています。PICシリーズについては
「PIC KnowHow」のページを参照
して下さい。
    
表示制御プログラムリスト (ダウンロードしてお使い下さい)
   PLL制御プログラムリスト (ダウンロードしてお使い下さい)


7.外観

PLL制御ユニットの外観とVFOユニットとの全体接続状況を
下記写真でご覧下さい。

7MHz用PLLユニット概観
左側に5桁のLED表示部がありケーブルで
直接接続。さらに下側にVFOユニット基板が
ありそちらともケーブルで接続している。
また左側面にロータリースイッチ類があり
コネクタ接続となっている。

PLL制御ユニットとVFOユニット
の接続全体



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