開発支援ツール


 dsPICを使う時には、その特徴を活かすとすれば、DSP機能のプログラムを
開発する必要があります。
しかし、DSP機能のプログラムをゼロから開発するのはちょっと骨が折れます。
そこで、マイクロチップ社からフリー、有償で各種の開発ツールが提供されて
います。ここではそれらの概要を説明します。

【dsPICworks】(無償ツール)

 dsPICworksはデータ分析ツールで、DSPアルゴリズムで生成した結果の
データの評価や分析を、時間軸や周波数軸のグラフで表示することによって、
簡単にできるようにしたツールです。

特にMPLAB ICD2のデバッグ機能を使い、dsPICでDSP機能を実行させ、
DSP機能の実行前後のデータのファイルをImportすることで、実際の機能
によるデータの変化をグラフで確認することができます。

 さらにdsPICworks自身でDSP機能を実行した結果のグラフを作成することが
できますので、この両者を比較することで、機能の確認をすることができます。


dsPICworksの主な機能は下記のようになっています。

(1) 波形合成
  サイン、矩形波、三角波、インパルスなど多くの一定の波形データを出力し
  グラフ化できます。





(2) DSP処理
  Filter Design Toolde作成したフィルタ処理やFFT処理を実行することで
  入力信号に対し出力信号がどう変わるかをグラフで確認することができます。
  例えば(1)で生成した波形データを入力とし、フィルタを通した後の波形に
  変換することができます。
  この変換結果とdsPICでのフィルタ結果との比較をすることで、DSP機能の
  確認をすることができます。
  下図は方形波をFIRフィルタに通した結果の波形と、そのFFT分析波形です。






(3) 周波数のグラフを一次元、三次元で表示できる
  周波数領域と時間領域での確認ができます。





【Digital Filter Design / Digital Filter Design Lite】(有償)

Digital Filter Design Toolは、その名前のとおりフィルタの設計を支援するツールです。
特にLiteバージョンは安価なツールとして提供されています。

 ディジタルフィルタとして最もよく使われるFIR、およびIIRフィルタの設計を、
希望するフィルタ特性データの、周波数仕様をダイアログから入力するだけで
自動的に生成してくれます。
 さらに、MPLAB IDEでそのまま使えるアセンブラとC言語のソースコードを
自動生成しますので、これをメインプログラムにリンクするだけで、DSP機能を
使ったフィルタ機能を実現することができます。

主な機能
(1) ローパス、ハイパス、バンドパス、バンドストップフィルタをサポート
(2) 最大513タップ(Liteは64タップ)のFIRフィルタを生成可能
(3) ローパス、ハイパスのIIRフィルタは最大10タップ(Liteは4タップ)まで
   バンドパス、バンドストップのIIRフィルタは最大20タップ(Liteは8タップ)まで
(4) フィルタ特性を各種形式のグラフ表示で確認することができます。








   目次ページへ