dsPIC30Fシリーズとは、その位置付け


【どんな物?】

 dsPIC30Fは、これまでのPICとは一線を画すもので、マイクロチップ社としては、
初めての16ビットマイクロコンピュータです。
 さらに単なるマイコンだけではなく、CPUにDSP(Digital Signal Processor)
の機能も盛り込みました。つまり2種類のCPUが1個のデバイスの中に組み込ま
れたような構成になっています。
 この構成の特徴から、このシリーズを「デジタルシグナルコントローラ」(DSC)
と呼んでいます。 その位置付けは、16ビットMCUとDSPの協調により、32ビット
MCUの領域とDSPの領域をカバーする戦略製品として位置付けられています。




【特徴】

★ パワフルな16ビットマイコン
  命令長は24ビットのロングワード。データバスが16ビット幅。
  dsPIC30Fは大部分の命令を1サイクルで実行する。
  クロックは最高120MHzで動作する。
  ゼロオーバーヘッドループ(繰り返しループ命令)がある。
  16ビット×16個の汎用レジスタで高速演算。
  基本命令は84個。 16ビットの乗算も1サイクルで実行する。

★ 高機能DSPを組み込んでいる。
  16×16ビットの積和演算で高速信号処理。
  アキュミュレータは40ビット幅、オーバーフローなく高精度演算可能
  40ビットのバレルシフタで高速な桁合わせが可能。
  積和演算命令が1サイクルで実行される。

★ 内蔵モジュールの高性能化
  12ビットA/D変換モジュール 最高100kspsの高速サンプリング
  10ビットA/D変換モジュール 最高500kspsの高速サンプリング
  最高16ビット分解能のPWM出力 モータ制御用に最適化
  
★ C言語に最適化
  アーキテクチャがCコードが最適になるようになっている。
  高速かつ最小のコンパイルができる。

★ メモリ空間の拡大
  プログラムメモリは最大4Mワードの空間。
  データメモリは最大64kワードの空間。
  データメモリがX領域とY領域に2分され、DSP演算でのX,Yデータとなる。

★ 強力な割り込み
  プログラム可能な7段階の割り込み優先レベル。
  最大45個の割り込み要因
  NMI、ソフトウェア割り込みあり

★ 少ピンのDSP
  18ピンからのデバイスが用意されており、これまでの多ピンのDSPに
  比較し、使いやすく、安価です。




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