PIC24Fシリーズとは?


【どんな物?】

 PIC24FシリーズのPICマイコンは、マイクロチップ社の16ビットファミリの
下位シリーズに相当し、下図のような位置づけになります。

 つまり、これまでのPIC16やPIC18ではちょっと物足りなくなった場合や、
性能、メモリサイズが不足したような場合に手軽にグレードアップできる位置
にあります。
 実行速度がPIC16の5MIPSから、16MIPSとなって3倍になり、データ幅が8ビット
から16ビットと倍になります。
 さらに16ビットの乗算器がハードウェアで内蔵されていますので、圧倒的な
演算速度となります。

 16ビットのマイコンというとピン数も多く、命令も多いので複雑で使うのが
難しいというのがこれまででしたが、PIC24Fシリーズは、これまでのPICマイコン
の延長線上で使えるということを目指していて、使いやすくなっています。

 ピン数も最新のPIC24Fシリーズは、28ピンから用意されており、DIPパッケージ
があるのも我々には扱い易いものとなっています。
 価格もピン数によってはPIC18より安価なものもあり、この点でも使えるマイコン
となっています。





【特徴】

 PIC24Fシリーズは、4種類がある16ビットのPICマイコンファミリのひとつで、下位の
デバイスに位置づけられます。
これらの4種の特徴は下記のように区別されています。

PIC24F  : 価格性能比がもっとも良いマイコン  3.3V動作
PIC24H  : 最高性能の16ビットマイコン      3.3V動作
dsPIC30F : 多目的な16ビットDSP機能内蔵マイコン 5V動作
dsPIC33F : 高性能で価格性能比の良いDSP機能内蔵マイコン 3.3V動作



この中のPIC24Fシリーズの特徴は下記となります。
特にPIC24Fの最新の28ピン/44ピンのものは、内蔵モジュールが100ピン
クラスと同じ内容となっており、ピン配置に困ることが多いので、内蔵モジュール
の入出力ピンを自由に配置できる「ピン割付機能」が内蔵されました。
これで、内蔵モジュールの組み合わせを自由に使うことができるようになりました。
さらに内蔵クロックだけで最高性能が出せるようになりましたので、これもピンの
有効活用に寄与しています。

(1) 最高速度
  ・最高32MHzクロックで 16MIPSの性能
  ・8MHzの内蔵クロックで、PLLで4倍して最高性能が出せる
(2) 高速演算性能
  ・17ビット×17ビットの乗算器で、乗算が1サイクル(63nsec)で完了
  ・除算支援ハードも内蔵し、32ビット÷16ビットが、19サイクルで完了
(3) 大きなメモリサイズ
  ・プログラムメモリ : 32kバイト 〜 128kバイト フラッシュ
      書換え回数 : 最大1万回の書き込み/消去 20年保持
  ・データメモリ    : 4kバイト 〜 16kバイト
(4) ピン数とパッケージ
  ・28、44、64、80、100ピン 
  ・DIP、SSOP、TQFP、ML
(5) 電源電圧と消費電流
  ・2.2V〜3.6V
   (CPUコアは2.0V 〜 2.75Vで専用レギュレータを内蔵)
  ・消費電流 (電源3.3V)
    スリープ時 : 3.3μA 〜 27μA
     1MISP時 : 1.2mA 〜 4.0mA
     4MISP時 : 6.0mA 〜 12mA
     16MISP時 : 20mA 〜 32mA
(6) Cコンパイラに最適化した命令
  ・基本 76命令
  ・アドレッシングモード豊富
(7) 柔軟なピン配置可能なI/Oピン
  ・ピン割付機能
     内蔵モジュールの入出力ピンを自由に配置可能
     (アナログ入力、I2C、I/Oポートは固定)
  ・デジタル入出力ピン : シンク・ソースともMax18mAドライブ可能
                  オープンドレイン出力可能
                  5V入力可能(Max5.5V)
(8) 豊富な周辺モジュール
  ・A/D  : 高速10ビットA/Dコンバータ  500ksps
  ・CMP  : 2系統のアナログ コンパレータ
  ・PMP  : 8ビットパラレルマスタポート : 8ビット並列のハンドシェイク通信可能
  ・RTCC : ハードウェア リアルタイムクロック 年月日時分秒カウント
          閏年も自動カウント 外付け32kHzのクリスタル発振
  ・CRC  : CRC巡回符号チェックの自動計算
  ・SPI   : 2チャネル
  ・I2C   : 2チャネル
  ・UART  : 2チャネル  IrDAエンコーダ/デコーダ内蔵
  ・TIMER : 5個の16ビットタイマ  32ビットタイマに結合可能
  ・OC   : 5系統の16ビット出力コンペア  PWM出力可能
  ・IC    : 5系統の16ビット入力キャプチャ 

【デバイス一覧】

現在入手可能なPIC24Fシリーズで28ピンと44ピンの少ピンのタイプは下記の
ようになっています。今後新たな製品が追加されていく予定です。
品名で区別が付くようになっていて 下記のようになっています。

   PIC24FJxxGAyyy
     xx:メモリサイズ  16=16kB  32=32kB  48=48kB  64=64kB
     yyy:ピン数    001=18ピン  002=28ピン  004=44ピン
                006=64ピン  008=80ピン  010=100ピン




同様に64ピン以上の多ピンのデバイスは下記のようになっています。






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