TFTカラー液晶の表示制御


【概要】

これまでのカラー液晶表示器の色合いがどうもいまいちという感じでしたが
このTFTカラー液晶表示器は素晴らしくきれいなカラー表示ができました。
これなら文句なしの色合いです。
使った液晶表示器は、「ZY-FGD1442701V1」というもので、アイテンドーから
購入しました。

この液晶表示器の主な仕様は下記となっています。

LCDタイプ    : TFTネガティブ透過型
表示ドット数   : 128×128ドット
表示色      : 65k色(16ビットカラー)
表示面サイズ  : 26.5×25.5mm
電源       :  2.8V±0.2V
バックライトLED : 3.0〜3.3V Max20mA
MPU接続    : 8ビットパラレル

実際に表示した例は下記のような感じとなります。黒の背景は真っ黒となり
非常に見やすく、色合いもはっきりと出ています。




【全体構成】

とりあえず表示制御の確認用として作成したものです。
コントロールは入手の容易なPIC24FJ64GA002を使いましたが、性能的には
PIC16でも十分いけそうです。
回路構成は下図のようになっています。
8ビット並列のインターフェースですので、ここは素直にデータバスはPORTBの
上位側に接続し、制御関連はPORTBの下位側に接続しています。
電源がLCDが2.8Vですので、PICもこれに合わせて2.8Vとしています。
2.8Vの3端子レギュレータは、マイクロチップ社のレギュレータに適当なものが
ありますから、これを使っています。
バックライトのLED用電源だけが電圧が異なりますので、ここでは、入力電源の
5Vから直接供給することとし、電流制限用の抵抗を直列に挿入しています。
あとはスイッチだけという簡単な構成です。



完成したこのコントローラの概観は下図のようになります。とりあえずの試作なので
基板外形も大きめになっています。

上側にLCDのサブ基板が実装されています。
サブ基板も一緒に製作しています。
この液晶表示器の外部接続は、フレキ基板と
なっていますが、ピンピッチは0.8mmなので
比較的簡単に直接フレキ基板のコネクタ部を
はんだ付けできます。

写真は緑色でクリアしたところです。
きれいな緑色です。



【制御方法】

この液晶表示器の制御は容易で、PICからの出力だけで可能で、入力は使いません。
基本的な制御は、1バイトのコマンド+複数バイトのデータ の組み合わせで出力する
だけです。

信号タイミングを下記とするように出力します。つまり、CD(A0)の信号でコマンドか
データかを区別しているだけです。



 このコマンドには結構たくさんの種類がありますが、大部分初期化の際に使うもので
表示制御に使うのは、下記の3つだけです。
 ・列アドレス出力(CASET)
 ・行アドレス出力(RASET)
 ・表示ピクセルデータ(16ビットのカラーコード)(RAMWR)

16ビットカラーのコードは下記の構成となっていて、これが1ドットごとの色となります。
これを2バイトの出力データとしてピクセル(ドット)ごとに出力して表示します。



表示する場所は下図のように行(RAW)と列(COLUM)のアドレスで指定しますが、
表示範囲とRAMメモリの範囲が少し異なっていて、RAM領域の方が少し広くなって
います。上記表示位置指定で指定する行と列のアドレスはRAM領域のアドレスと
なっていますので、常に1列、2カラムだけずらして考える必要があります。



実際に1ドットの表示をさせるためのプログラムは下図のようになります。
XposとYposで表示位置を指定し、Colorで色を指定しています。





【プログラムライブラリ】

試作レベルのプログラムライブラリですが、下記からダウンロードできます。

★★★ LCD FGD1442701のプロジェクト 一式


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