PIC16/18汎用ユニットの組み立て方


【手順】

 まず組み立てに必要なプリント基板は下図のような外観です。
このプリント基板の注文は、インフロー社さんのホームページから依頼する
ことができます。

インフロー社ホームページ
 P板COM

この基板に各部品をはんだ付けして取り付けた後、この基板単体の4隅にゴム足
を付けて自立できるようにして、下記のような外観で完成させます。

これらの部品一式をキットで下記より購入できます。

サトー電気
 PIC18F2320のセットです。
 PIC16で使うにはPICの追加注文が必要です。

各部品の組み立ては回路図の部品記号と部品表の番号をもとに、基板のシルク
印刷の部品に合わせて実装していきます。

 大部分はんだ付けですが、特にグランドパターンへのはんだ付けは、熱の伝わりが
良いので、小型のはんだこてではなかなかはんだがのらず、やり難いかも知れませんが
しばらくこてをあてて十分熱してはんだを馴染ませて下さい。
はんだこてに30W程度のものを使うとスムーズにはんだ付けができます。

はんだ付けしたあと、リード線を切断してから、もう一度こてをあてて、はんだを
溶かし直すと確実できれいなはんだ付けになると思います。

【ICソケットの実装】

まず最初に、回路図に現れない、ICソケットを実装します。DIP型のICは全てICソケット
を使って実装しています。まずソケットの向きを間違えないように、1ピン側の凹みを
シルク印刷の凹み側に合わせて挿入します。
 そして仮に両端の対角にある2ピンだけはんだ付けして固定します。残りのピンの
はんだ付けは、最後にまとめて行います。こうすれば、万一途中で実装が間違っている
ことに気が付いても、簡単に取り外せるからです。

ICソケットは全部で5個あります。


【LEDとセラミック振動子】

セラミック振動子と4個の発光ダイオード、抵抗モジュールを半田付けします。
振動子には極性はありませんので、どちら側に実装しても問題ありませんが、
発光ダイオードと抵抗モジュールは極性があるので注意してください。
発光ダイオードは足の長い方がアノード側で抵抗モジュールにつながっている方に
します。
抵抗モジュールは黒い帯のある方が1ピンですのでシルク印刷の1ピンマークに
合わせて実装します。


緑と黄色のLEDを2個ずつ実装します。
写真の下側が足の長い方になります。
抵抗モジュールは写真の左側が1ピンに
なります。



【FETとダイオード、コネクタ】

モータドライブ出力となるFETトランジスタとダイオードを取り付けます。
FETには極性がありますので、放熱板のある側をシルク印刷に合わせて
実装します。ダイオードの極性は帯のある方がカソード側ですので写真の
上側になるように実装します。
FETもダイオードも熱容量が大きいので、はんだが溶けにくく、はんだ付けが
しにくいかも知れませんが、少し長めにはんだこてをあてて十分溶かしてはんだ
づけしてください。

FETは放熱板がある側が上側
ダイオードは帯のある方が上側
コネクタはロックカバーがある方を
上側になるようにします。


【電源部】

電源部では、DCジャックのツメのはんだ付けには、十分のはんだを溶かして丈夫に
取り付けてください。特に何回も抜き差ししますので取れやすいところです。
取り付け部が大きいのではんだがなかなか溶けませんので大きめのこてで作業すると
楽にできます。
電解コンデンサ、3端子レギュレータ、ブリッジダイオード、発光ダイオードいずれも
極性がありますので、極性に注意して実装して下さい。
電源スイッチの取り付け穴は、スイッチサイズに合わせて2種類の取り付け穴が
ありますので適当な方を使って下さい。


極性に注意
電源スイッチは2.5mmピッチ用と3mmピッチ用の
2種類の取り付け穴が用意されています。
発光ダイオードは足の短い方をグランド側にします。

ダイオードが熱が逃げやすいので大きめのこて
で作業すると楽にできます。


【アナログ入力部】

 アナログ入力部のオペアンプ周りの組み立てです。抵抗と可変抵抗を取り付け
ます。抵抗の数が多いので間違えないようにシルク印刷を確認しながら実装して
下さい。
温度センサICは向きがありますので要注意。シルク印刷の向きに実装して下さい。
さらに温度センサ用のジャンパであるJP1には、ジャンパ変更が簡単にできるように
2ピンのピンヘッダを実装しています。これにパソコンのマザーボードなどに使っている
ジャンパピンを使ってジャンパ変更をします。

ジャンパには2ピンヘッダを使用

バイパス用の0.1μFのコンデンサを
忘れないように



【スイッチ、モジュラージャック】

タクトスイッチ3個とモジュラージャックを取り付けます。モジュラージャック固定用の
端子は多目のはんだでしっかりとはんだづけします。
スイッチもよく使うものですので、スイッチの端子も同様にしっかりと固定します。

スイッチの色分けは好みで構いません。
PICのICソケットの近くにある大小のバイパス
コンデンサ2個も忘れずに実装します。




【7セグメントLED部】

7セグメント発光ダイオードは向きを間違えないように実装して下さい。小数点の
シルク印刷マークが目印になります。小数点位置が同じになるように差し込んで下さい。
 トランジスタの実装は向きに注意して、シルク印刷のとおりの向きで実装して下さい。
抵抗の本数が多いので互い違いの向きに実装すると楽です。
汎用ディジタルI/O用の10ピンのコネクタも写真のような向きで実装します。


7セグメントLEDの向きに注意
抵抗は向きを互い違いにする
ちょっと込み入っているので要注意


【メモリ部】

外付けのEEPROM用のI2Cの抵抗とバイパスコンデンサを取り付けます。

バイパスコンデンサを忘れないように
この部分を使わないときは実装不要です。

【RS232Cインターフェース部】

 RS232Cのレベル変換ICの部分です。ここはコンデンサがたくさんありますが、
すべて0.1μFなので間違うことはないでしょう。
シリアル用のコネクタは大型の部品であることと、抜き差しが多いので、最後に
ねじで取り付け穴を使って両端を固定します。

コネクタの両側にあるプラグの
固定用のナットが邪魔になって
コネクタを挿せないときははずして
下さい。


【ゴム足取り付け完成】

ICソケットやコネクタなど残っているピンの全てをはんだづけします。
そして最後にICソケットに各ICを実装して全体の組み立てが完了したところです。
ICを実装するときには、ICの足が外側に広がっていますので、机の上などで
足を内側にまげて直角にしてからICソケットに挿入します。

 組み立ての最後に4隅の穴にゴム足をねじで固定します。このゴム足を付けると
基板を机などの上に置いたとき、裏面の配線を傷めませんし、机に傷をつける
こともありません。


RS232Cのコネクタもねじで固定します。



基板の裏側の状態は写真のようになります。
はんだづけのチェックのために、もう一度こてをあててはんだを溶かしながら
チェックすると確実できれいな仕上がりになります。


ゴム足を4隅にボルトナットで固定
はんだ付け忘れのチェックをすること



【液晶表示器の組み立て】

 今回使った液晶表示器は20文字×4行の大きな方です。
付属の14ピンのコネクタのソケット側を液晶表示器にはんだ付けします。
向きはありません。
 次にそのコネクタのピンヘッダ側に細めのビニール線を1本づつはんだ付け
します。線材の色を変えると間違いなく出来ます。これのはんだ付けは、ちょっと
面倒かもしれませんが丁寧にしましょう。


ケーブルの途中をタイラップでとめると
きれいに仕上がります。
16文字×2行は電源とGNDが逆に
なりますので要注意


 輝度調整用の可変抵抗は、液晶表示器に直接はんだ付けしてしまいました。
これは実際の実装の仕方によって考えて下さい。
液晶表示器側の、DB0−DB3とRW端子のグランド接続を忘れないようにして下さい。


輝度調整の可変抵抗は直接取り付け
GNDの配線を忘れずないように
抵抗などのリード線でコネクタ端子のところで
直接配線しています。

 ケーブルの反対側を、基板側のコネクタに合うハウジングソケットに接続します。
このときには圧着ピンを使いますが、圧着工具は通常は無いでしょうから、はんだ
付けで済ませます。ピンの端にケーブルの端を挿入してから、この端子の端を
ラジオペンチで押しつぶしてケーブルの端を固定してから半田を流し込みます。
 事前に線材に予備はんだをしておくと、直ぐはんだづけが出来ます。

はんだづけする前に、ペンチでケーブルの
被覆部分をピンの先端を丸めて固定します。
はんだはピンの真ん中あたりのところに流し
込んでケーブルの先端を固定します。
はんだこてを長く当てているとケーブルの被覆
が溶けてしまいますので、手早く行います。



出来上がったピンをソケットの穴に差込み、カチンと音がするまで押し込みます。
これで抜けないようにロックされます。


ソケットのピン固定の穴があいている側に
ピンのロック用のツメが入る向きで
カチンと音がするまで押し込みます。
小型のドライバなどでピンのケーブル側から
押し込むとやりやすいでしょう。

【その他】

 その他に外部に接続するものとしては、電源のACアダプタと、シリアルケーブル
があります。
ACアダプタは最近スイッチング電源方式の良いものがありますので、それを
使いましょう。DC9V出力です。

 シリアルケーブルはパソコンのRS232C延長ケーブルと呼ばれている、9ピンの
オスとメスをストレートに接続したストレートケーブルを使います。





以上で全て完成です。




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